ドローン製作記のメインページ 【完全自作】Arduinoを使用した自作ドローンの製作記(完成)
前回はPIDの調整方法とベンチテストの紹介をしました. そして今回,ドローンを初めて野外で飛ばす時がやってきました.というより,最初はドローンを墜落させに来たというか,芝刈りに来たという方が正しいかもしれません.
まず,野外テストをした経験からいうと,砂場での飛行テストはあまりよくありません.なぜなら,墜落すると地面にモーターやプロペラが接触し,モーター内部に砂鉄が入りやすいからです.また,ドローン全体に砂がつきます.
また,土が湿っていると最悪です.墜落した途端に泥を巻き上げ,モーターの中に泥が入ります.
モーターがじゃりじゃりいう感触を味わいたくないのであれば,芝生でやるのがおすすめです.芝生なら墜落しても砂が舞いにくく,また柔らかいので衝撃を吸収してくれます.白いプロペラを使用していたので,自分のプロペラは黄緑色になりましたが.
ドローンのベンチテストをした人は,大まかなゲインはあっていると思いますが,飛ばすにはまだ程遠いレベルだと思います. そこで,自分は段階的にテストをしていきました.
まず最初に,テストでは,一気に高くまで(1m以上)飛ばさない事!!!!
1mぐらいの高さまであげて墜落すると,プロペラがたまに折れます.また,フレームにもダメージが来ます.そして,どこにいくかわからないので,危険すぎます.ドローンのことを,空飛ぶ刈り払い機だと思っていた方がいいです.
最初は,4,50cmの高さまで飛ばしてみましょう. この時に,ジョイステックの中立点(センター)はしっかり出していたほうが良いと思います. 中立がでてないジョイステックで飛ばすのは意外と難しいです.
ここで,全く飛ぶ素振りを見せなかったら,まずはPゲインだけで調整してみましょう.IとDゲインは0でいいです.振動をしすぎず,すぐ横転しないぐらいのゲインを探しましょう.最初はゲインを大きめに刻んで,絞り込んでいきましょう.1,2秒飛べば十分です.
今度は,Dゲインを足してみましょう.ゲインを多めに入れても大きく変わることはないので,思い切って数字を入れてみましょう.自分の場合は,Pゲイン2程度に対して,Dゲインは6,70ぐらいでした. フライトコンピュータによりますが,Pゲイン同様に,最初は大きく刻んで絞り込んでいきます.
PとDゲインの調整をすると,いつかは3秒ぐらい飛ぶようになると思います(コンピューターの制御プログラムが正しければ).ここまでくれば70%は完了です. あとは,Pゲイン調整→Dゲイン調整→Pゲイン調整→Dゲイン調整……の繰り返しです.
Pゲインを上げ下げして,よく飛んだ方でDゲインを調整します.Dゲイン上げ下げでよく飛んだ方でPゲインを調整する,この繰り返しです. ちなみに,前回のPID制御のページで詳しく説明しましたが,最初はIゲインは0でいいです.Iゲインがあると応答性が悪くなります.また,ちゃんと飛ばないうちにIゲインを入れると,フラフラしている動きも積分して補正しようとするので,さらに飛ばなくなります.
調整が終わると,こんな感じでまあまあちゃんと飛ぶようになります. 特別な制御はしてなくて,普通のPID制御です.
こんな感じで大体3時間ぐらい飛ばしてやっといいゲインが得られました. あとは,機能を増やしたり,他の制御方法を試すなど,いろいろ遊べます. こんな感じで野外テストをしていました.
テストをする時は,法律と危険にはくれぐれも注意して野外テストをしてください. 飛んだ時の感動は大きいですよ.